1983年制作のTV番組「ながらえば」を観た。
主演は笠智衆。
大学の上映会で観たのだが、後半から涙が止まらない。
何度拭っても次から次とこぼれ出てくる。
幸いにも観客は僕ともう一人しかいなく、恥ずかしい思いをせずに済んだ。
だが、このドラマ、とにかく参った。
物語は、息子の転勤で住み慣れた名古屋から富山に引っ越していく老人。
彼には一つ気がかりな事があった。
それは、しばらく病院に入院している妻を置いて旅立ってしまわなければならない事だった。
旅立つ前の日に、妻の病院に見舞いに行ったが、診察が長引いていてついには会えぬまま出発してしまったのだ。
老人は事あるごとに妻の事を思い出す。
もしもこのまま会えずに妻が死んでしまったなら、その思いが募り名古屋に戻らなければならない用事があるから金をくれと息子夫婦に言う。だが、息子や嫁は来たばっかりで何を言い出すかと、容赦しない。
老人もその本当の理由を言えずに悶々とした日々を過ごしていく。
だが結局、居てもたっても居られない老人は、嫁のタンスからお金を抜いて出発しようと考える。でも、それも嫁に見つかり、わずかな千円札だけを手に走り出す。
途中、列車の中で老人は特急券を持っていない事を追及され、下ろされてしまう。
そして各駅電車を待つ間、ふと歩き出した街の風景に見とれ、次の電車まで乗り遅れてしまう。
結局、無一文で旅宿に入った老人は、金を持っていない事も気が気でならない。
食事が出ても箸を伸ばせない。
そんなとき、その旅宿で不幸があった。
同じ年くらいの老主人の奥さんが亡くなられたのだ。
一言お悔やみを申し上げたいと訪ねれば、老主人は気さくに話をしだす。
やがて老人は主人に金を持っていない事、妻に会いたくて家を出てきた事を話しだす。
さらに、ここの宿賃も払えないと打ち明けると、老主人は手伝いに金を持ってくるように声を掛け、明日いちばんの特急で名古屋に向かうように進言する。
深く深く頭を下げる老人、翌日妻のいる病院に向かって行く……。
この老人役が笠智衆、旅宿の主人が宇野重吉だ。
この二人の会話と芝居が素晴らしく、このやりとりからクチビルを噛んで我慢しだした。
芝居って何だろう、役者って何だろう。
二人の芝居に、ただただ溜め息が出るばかりだった……。
2015年6月27日土曜日
2015年6月3日水曜日
卒業生
今日、卒業生からドラマ出演の情報が届いた。
嬉しい限りだ。
彼らが俳優になりたいといった時点で、どこにも所属できなくても東京でバイトをしながらチャンスを探せと言っている。
彼らはもんもんとしながら、手っ取り早く自分たちで立ち上げた舞台公演でそのやりきれない気持を満たしていく。
しかも、誰かが観に来てくれて引き上げてくれる事を願いながらだ。
チャンスはすぐには訪れない。
でも、続けていればチャンスに一歩でも近づくはずだ。
彼らの成功の一つ一つは僕の大きな励みである……。
嬉しい限りだ。
彼らが俳優になりたいといった時点で、どこにも所属できなくても東京でバイトをしながらチャンスを探せと言っている。
彼らはもんもんとしながら、手っ取り早く自分たちで立ち上げた舞台公演でそのやりきれない気持を満たしていく。
しかも、誰かが観に来てくれて引き上げてくれる事を願いながらだ。
チャンスはすぐには訪れない。
でも、続けていればチャンスに一歩でも近づくはずだ。
彼らの成功の一つ一つは僕の大きな励みである……。
2015年5月17日日曜日
プロット
ようやくプロットを一つ書き終えた。
4月から何かと大学の行事に忙殺されて、ゆっくり机に向かう時間が無かった。
次々に来る仕事の山を片隅に置いて、ここ数日が勝負だと言い聞かせる。
意外とやれば出来るものだ。
そう言えば、東京にいた頃はしょっちゅうこんな感じだった。
プロットを仕上げて、しばらくプロデューサーが意見をまとめる次の打ち合わせまで、さらに次のプロットを書いていた。
月に3本のシナリオとプロットを平行し、役者の仕事もこなしていた頃もあった。
まだまだ出来る……そんな晴れやかな気持ちで次はロシア連続ドラマのプロットにかかるのだ。
4月から何かと大学の行事に忙殺されて、ゆっくり机に向かう時間が無かった。
次々に来る仕事の山を片隅に置いて、ここ数日が勝負だと言い聞かせる。
意外とやれば出来るものだ。
そう言えば、東京にいた頃はしょっちゅうこんな感じだった。
プロットを仕上げて、しばらくプロデューサーが意見をまとめる次の打ち合わせまで、さらに次のプロットを書いていた。
月に3本のシナリオとプロットを平行し、役者の仕事もこなしていた頃もあった。
まだまだ出来る……そんな晴れやかな気持ちで次はロシア連続ドラマのプロットにかかるのだ。
2015年4月5日日曜日
正しく生きる
先日4/3 京都シネマで公開されていた「正しく生きる」が終映した。
公開中は、毎夜 京都造形芸術大学の教授らクリエイター達がトークイベントにかけつけて下さり、福岡芳穂監督との対談で観客席を盛り上げた。
東京公開(渋谷イメージ・フォーラム)は延長となって、方々から近年稀に見る衝撃作として絶賛の声も挙る。
映画は間違いなく日本映画史に残るだろう。
京都造形芸術大学の学生とプロの俳優・スタッフがコラボする北白川派映画は、これを機に今後さらなる飛躍を迎える筈だ。
そして、また新たな作品と若手俳優を生み出すだろう。
京都シネマにお越し下さいました皆様に深く深く感謝して、お礼の言葉とさせて頂きます。
また、東京(渋谷イメージ・フォーラム)、大阪(第七藝術劇場)に足を運んで下さいました全てのお客様にも御礼申し上げます。
公開中は、毎夜 京都造形芸術大学の教授らクリエイター達がトークイベントにかけつけて下さり、福岡芳穂監督との対談で観客席を盛り上げた。
東京公開(渋谷イメージ・フォーラム)は延長となって、方々から近年稀に見る衝撃作として絶賛の声も挙る。
映画は間違いなく日本映画史に残るだろう。
京都造形芸術大学の学生とプロの俳優・スタッフがコラボする北白川派映画は、これを機に今後さらなる飛躍を迎える筈だ。
そして、また新たな作品と若手俳優を生み出すだろう。
京都シネマにお越し下さいました皆様に深く深く感謝して、お礼の言葉とさせて頂きます。
また、東京(渋谷イメージ・フォーラム)、大阪(第七藝術劇場)に足を運んで下さいました全てのお客様にも御礼申し上げます。
2015年3月22日日曜日
正しく生きる 京都初日
昨日、「正しく生きる」の関西初日を京都シネマで迎えた。
出演者、監督、総勢8名がスクリーン前に並び挨拶した。
一人一人が感謝の言葉をお客に伝え、ようやく僕の順番が来た。
◯◯役の誰々です。みんなそんな調子で来てたから、僕は、
「おしっこを漏らしていたヤクザの幹部役の水上です。普段はもらしません」
と、実は笑いを取ろうとした。
が、客はクスリともせず、す〜っと波が引いていくような感じにとらわれた。
あっと思った。
確かおしっこを漏らすシーンはラッシュの段階にはあったが、完成版ではカットされていた。
なのに、「おしっこをもらしていたヤクザの幹部……」
しかも「普段は漏らしませ〜ん」って、この役者ちょくちょくおしっこチビる人なんだとお客は思ったに違いない。
やってしまった……。
やっぱり挨拶する前にちゃんと 映画を見ておくべきだった……。汗
出演者、監督、総勢8名がスクリーン前に並び挨拶した。
一人一人が感謝の言葉をお客に伝え、ようやく僕の順番が来た。
◯◯役の誰々です。みんなそんな調子で来てたから、僕は、
「おしっこを漏らしていたヤクザの幹部役の水上です。普段はもらしません」
と、実は笑いを取ろうとした。
が、客はクスリともせず、す〜っと波が引いていくような感じにとらわれた。
あっと思った。
確かおしっこを漏らすシーンはラッシュの段階にはあったが、完成版ではカットされていた。
なのに、「おしっこをもらしていたヤクザの幹部……」
しかも「普段は漏らしませ〜ん」って、この役者ちょくちょくおしっこチビる人なんだとお客は思ったに違いない。
やってしまった……。
やっぱり挨拶する前にちゃんと 映画を見ておくべきだった……。汗
2015年3月21日土曜日
2015年3月20日金曜日
研究者マッサン
マッサンは安く庶民に提供出来るウィスキーを開発すべく、五年以内に作った原酒を片っ端からテイストし始めた。
スモーキーフレーバーの強いキーとなる原酒を探して、来る日も来る日も…。
マッサンはアル中になってるに違いない。
あるいは、常にベロベロだったんじゃないだろうか。
以前、僕が鹿児島に行った時のこと。
お土産にする焼酎を選ぶのに酒屋がとにかく利き酒をさせてくれたことがあった。
「こっちも美味しいんですよ」
「こっちのは芋の香りが強いんです」
などと、次々とお猪口に注いで飲ませてくれて、気が大きくなった僕は予定以上の本数を買い、ベロンベロンになって帰った事を思い出した。
テレビを見てて、マッサンの体のことが心配になった…。
2015年3月13日金曜日
昨日のこと
仕事で上京し、品川から山手線に乗った。
しばらくすると、障害者と思われる女性が、「すみません、後ろを通って良いですかあ?」と立っている僕の後ろを大きな声で通り過ぎた。
大崎駅で、客が入れ替わると斜め前の座席が空いた。
すると女性は座ろうとしていた初老の男に、「座らせてもらえませんかあ?」と丁寧に声を掛けた。
男性も、「どうぞ」と席を譲って、スマホを再びいじりだした。
すると女性は唐突に、「会社で働き始めて何年ですかあ?」と目の前の男性に尋ねた。
男性も少し躊躇しながら、
「今の会社は23年前からになります」と答えると、「1992年からですね、頑張りましたね〜」と女性は言う。
男性は少し照れ気味に、
「そうですね、頑張りましたね」と薄く笑った。
周りの客たちは、僕を含めて二人の会話に聞き入っていた。
明らかに普通ではない風体の女性と初老の男の会話は、その後しばらく続いた。
男は、ひょんな出会いに人生をねぎらわれ、やがて「さようなら」と電車を降りていった。
女性が次に誰かに語りかけることは無かったが、初老の男のやさしさと無垢な女性のやりとりに、なぜか心がほだされた…。
登録:
投稿 (Atom)