ブラックホール、五次元の世界、宇宙での時差、宇宙船の構造、どれもこれも想像の世界であって何一つ確かなものなんてないのだろうが、全てを納得してしまう映像と役者の力に圧倒される。
例えば、ブラックホールを見た事のある者は誰一人いない筈だ。
しかしそれを登場人物に見せて説明する事で観客の違和感を無くしてしまう。観客は登場人物が納得した時点で同じ感情で頷くのだ。
随所にSFという虚構を信じ込ませる工夫が凝られ、さらに物語に発展させる脚本力を感じてしまう。
人類を守る為の愛娘との別れは、やがて何十年の歳月を経て再会へと結ばれる。
それはまるで輪廻のようで、永遠の愛が起こす奇跡でもある。
父親が宇宙船の中で涙するシーンでは、どうしようもないほどの涙が溢れ出した。
……この作品、必見である。