学生監督を侮ってはならない。
彼らは荒削りだったり迷ったりもするが、映画制作に打ち込む魂はプロ監督に引けをとらない。
私財すべてを投げ打つまでは無いと思うが、ひと月のアルバイト代くらいは平気で投げ込む。
計算づくめで生きてきた大人にはできない事だ。
どんな名監督もそんな時期があったのだと思う。
うちの監督たちから学んだ学生監督たちは、そのイズムを受け継いでいる。
世の中に出たくてもなかなか思い通りにはいかないものだが、出ようという強い信念を持たなければ決して世の中には認められない。
俳優にしてもしかりだ。
何千人といる役者達の中でひとつの役を勝ち取れるのは、たった一人だ。
演技を教えることも大切だが、俳優であり続ける生き方を教えて行く方が難しいのかも……。