2015年3月3日火曜日

正しく生きる 全国公開!

映画「正しく生きる」が間もなく公開される。

ジャーナリストの秋山豊寛さんは、先日あった完成披露上映会でこの映画を紐解き、正しく生きるなんてことは、個人と社会との関係の中にあるもので、その価値観は様々だと冒頭から意見した。

こう書くとこの映画がやたらタイトルに振り回された堅苦しいものじゃないかと思うだろうがそうじゃない。むしろバイオレンスに満ちたものだ。
道徳や倫理からかけ離れる物語は、まともな者なら感情移入などできるわけないだろう。秋山さんもさんざん映画に対して意見したが、終いにはこう締めくくった。
「この映画には、独特の映画が持つ手作り感が確かにある」と…。

僕もここ数日、「正しく生きる」の事を考えていた。
撮影は一昨年にも遡る。
その時はもちろん気づかなかったが、改めて完成作品を目にすると、秋山さんの言う手作り感とは、見たこともない若手俳優たちの醸す生臭さと映像効果が起こす腐蝕反応のようなものだと考える。

物語は災害という社会的悲劇をきっかけとして、登場人物たちに次々とアクシデントが起こり出す。
当然、彼らは生きるためにそれぞれのトラブルに立ち向かっていくのだが、それは今の我々にも起こりうる逃れられない現実なのだ。
しかも彼らもそれに気づいていながら最悪の展開に向かって進むしかないわけだ。なぜならそれが彼らにとって唯一の正しい道だからだ。

福岡芳穂監督は、その宿命に対して、あるいは時に陥る負の連鎖に、人々がどう生きるかを問いかけたのではあるまいか。
それは震災以来数年、万民が心の奥にとどめてきたもので、迂闊には口に出来ないものに違いない。
震災、テロ、戦争、あらゆる現実を我々は再び直視し、じっくりと考えなければならない時が来たかもしれない。

「正しく生きる」という事について深く考えなければいけない時が…。

衝撃のロードショー、始まる!

東京3/7(土)~
シアター・イメージフォーラム
京都3/21(土)~
京都シネマ
大阪3/28(土)~
第七芸術劇場