2015年3月5日木曜日

マッサン

朝ドラ、「マッサン」を毎日楽しみにしている。
ここのところ戦争に行かねばならぬ青年の話である。

マッサンの娘、エマは青年との恋に苦しみ続け、「戦争の無い場所に一緒に逃げよう」とまで訴える。
しかし、青年は「戦争の無い場所なんてどこにもないよ」と答える。

当時の青年に、「戦争の無い場所なんてどこにも無い」なんて知識があったとは思えない。が、そう言いきる言葉に、作家 羽原さんの今の世の中に対するメッセージ性が感じられる。

さらに、周りの者たちが皆、青年の出征に悲しむ中、青年の父親(風間杜夫)は、「この戦争には勝たねばならぬ、身を投げ出しても命を懸けてこの日本を護れ!」と我が子に命を惜しむなと叱咤する、幕末に破れた会津藩らしい頑固な堅物だ。


だが、その父親が、今日はマッサンの妻 エリーに打ち明ける。
「誰かが命を張ってこいと言ってやらねば、戦争になんぞ行けやせん。お国の為に死んで来いと言ってやらねばおっかなくて行けやせん」と、涙ながらに本音を言うのだ。

出た、羽原節!
思わず、朝食の手を止め、涙を拭いて鼻をかむ。
だが、羽原節はとどまる事無く、これでもかこれでもかと泣かせにかかる。

今日はまんまとやられた。玉砕だった…。
明日は絶対に泣かない。


そう言えば、数年前に羽原さんに大学で若手俳優たちに定時講義を持ってもらえないかと電話した事があった。
そのときは丁重に断られたが、その断り方にも人柄が感じられた。

すでに撮影は終わったと聞いている。
羽原さん、長い間、お疲れさまでした。
素晴らしいドラマです。